報道されたリベンジポルノ事件 2014年

リベンジポルノ 背景に未成年のネット依存 対面より安心感 簡単に信頼
2014.12.10 大阪朝刊 

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と青少年とのかかわりに詳しい兵庫県立大の竹内和雄准教授(生徒指導論)は、リベンジポルノは未成年こそ注意を払うべきだとする。

 経済産業省が10~17歳を対象に行った平成25年度調査(有効回答数2073件)によると、小学生の66・6%が携帯ゲーム機を持っていたが、うち44・2%でそれを使ってネットを利用していた。

 竹内准教授は「子供たちは対面によるコミュニケーションが苦手で、実際の会話よりネットでのやり取りに安心感を抱く」と話し、「同じ趣味のサイトで知り合っただけで相手を信頼し『まあいいか』と軽い気持ちで応じてしまう」と指摘する。

 ネット上にさらされた個人情報をめぐっては、欧州を中心にサイト管理者などに削除させる「忘れられる権利」の保護機運が高まっている。ただ、ネット社会では、データが完全に消える保証はなく、画像を与えないことが唯一無二の被害防止策で、「情報リテラシー教育」の必要性が高まっている。

リベンジポルノ 摘発強化、狭まる網 海外サーバーにもメス
2014.12.10 大阪朝刊 

 平成25年に警察が摘発した児童ポルノ製造事件は797件。うち318件は強要されるなどして児童らが自ら撮影したケースだった。こうした画像は流出の危険をはらんでおり、捜査当局はリベンジポルノ対策法の成立以前にも摘発を強めていた。

 昨年12月、無職男が中学2年女子生徒を「お前のムービーばらまいても?」と脅迫。相談を受けた京都府警は男の自宅を捜索し、公開は食い止められた。被害者が中学生だったため、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑を適用できた。

 写真をネット上にばらまく行為はどうか。今年5月に名古屋地裁で実刑判決を受けた男の事件では、元交際相手の女性の実名を記載した掲示板を立ち上げ、顔入りの画像を掲載したことが名誉毀損(きそん)罪にあたり、違法と判断された。

 リベンジポルノを助長する“犯罪インフラ”にも捜査のメスが入り始めた。

 ブログや動画サービスを展開する「FC2」の運営元とみられる大阪市内の会社に今年9月、京都府警が家宅捜索に入った。FC2の動画投稿サイトで性行為をライブ配信した男らが逮捕された事件に関連した公然わいせつ幇助(ほうじょ)容疑だ。

 画像などが保存されている「サーバー」が海外にある場合、国内法の適用外である上、管理会社や運営実態が不透明なケースが多く、摘発は難しいとされる。その代表格ともいわれていたのがFC2。違法配信で逮捕された男らも「海外サーバーなので大丈夫と思った」と供述していた。

 しかし、京都府警は、実質的に国内で運営されていたことを突き止め、摘発に踏み切った。捜査関係者は「海外サイトがインフラとなっている面は否めないが、メスを入れていく」と警告。違法画像の摘発に、もはや不可能はない。

【潜む悪意 ネット社会の落とし穴】卑劣 リベンジポルノ
2014.12.10 大阪朝刊 

 ■愛情装い「裸見たい」 画像送信悔い、相談急増

 インターネットの進化は、瞬時に大量の情報を得られる便利さと、“悪意”をまき散らす手段をもたらした。性的な画像や動画を元交際相手らがネットに投稿する「リベンジポルノ」。先の臨時国会で対策法が成立し、17日からは罰則適用が始まる。取り締まりの強化が期待されるが、一度ネットにさらされた画像の拡散を止めることは不可能で、被害者は半永久的に流出の危険におびえることになる。「振られた腹いせ」の「リベンジ=復讐(ふくしゅう)」。実態は単なる逆恨み。何があっても裸の画像を与えない。そんなモノを求めるのは、愛でも何でもない。

 「催促がしつこくて。後のことなんて、そのときは考えなかった」。東京都内の20代の女性会社員は、代償の大きさを実感しないまま、画像を送信した。

 ◆しつこい催促

 高校生のころ、ネットの会員制交流サイトで30代男性と知り合った。メールで愚痴を聞いてくれたり、相談に乗ってくれたりした。友人の一人と思っていた。

 「ちょっと見たいから、裸の写真を送ってよ」

 何度も断った。でも執拗(しつよう)に催促のメールが来る。あまりのしつこさに、裸の上半身を1枚“自撮り”して、送ってしまった。

 大学生になり、事の重大性に気づき、サイトの利用をやめた。男性から“フェードアウト”することを図ったが、連絡を求めるメールが次々と寄せられ、ついにはこんな内容に変わった。

 「連絡をくれないなら写真を流す。自分が送った写真、分かってるよね?」

 親や親友にも恥ずかしくて相談できなかった。怖かったが、約1年間、ひたすら無視を決め込んだ。やがてメールは止まった。

 だが、問題が解決したわけではない。裸の写真は、どこかで公開されているかもしれない。調べる勇気はない。「流出していないはず」。自分にそう言い聞かせるしかない。

 ◆大半が中高生

 ネット上のトラブル相談を扱う「全国webカウンセリング協議会」(東京)では昨年10月以降、リベンジポルノに関する被害相談が急増。それまで月に数件程度だったのが、30件ほどに跳ね上がった。「拡散した裸の画像を回収したい」「元彼が(無料通信アプリの)LINEで私の裸を友人に見せている」などの内容が多いという。

 安川雅史理事長によると、相談の大半は中高生。「学校にバレたら退学になる」「警察に相談したら、親や学校に連絡されてしまう」と表ざたにすることをためらうケースが多い。

 「元カレに裏切られた」

 関東の30代女性は、支援者を通じた取材に対し、こう明かした。大学時代、初めて付き合った1歳上の男性に、2人の性行為の様子のビデオ撮影を求められ、応じてしまったという。

 被害は、脅迫されたり裸の写真を見られたりした瞬間だけではない。リベンジポルノの罪深さは、ここにある。女性は言う。

 「流出の危険性があるだけで、身を隠して暮らさざるを得ない。被害は一生続くことを知ってほしい」

ネット拡散 1時間で50万件
2014.12.10 大阪朝刊 

 ネットの情報拡散は想像を絶する。例えば短文投稿サイト「ツイッター」。誰かがツイート(つぶやき)すると、それを見たフォロワー(読者)が感想や意見をリツイートし、短時間でコメントが広がっていく。

 11月8日夜に起きた、フィギュアスケートの羽生結弦(はにゅう・ゆづる)選手の衝突事故。大手広告代理店「電通」によると、事故をめぐるつぶやきは発生から1時間で50万件を突破し、2時間後には計97万件に到達した。その後は収束したものの、発生から5日間の総つぶやき件数は164万件に上った。

 これがリベンジポルノだったら-。

 ソーシャルメディアに詳しい関西大の安田雪教授(ネットワーク分析)は「画像が自分とは無関係の誰かの写真だった場合、次に回すとどうなるか、という配慮を欠いてしまう。被害者にとって重要な写真でも、第三者にとっては話の種でしかない」と話す。

社説 リベンジポルノ法
2014.11.25 朝刊 

交際中や婚姻中に撮った人に見られたくない画像を、別れた後、腹いせにインターネット上へ流出させる-。そんな陰湿な嫌がらせが社会問題になっている。

「リベンジ(復讐)ポルノ」と呼ばれるもので、罰則を盛り込んだ被害防止法が、衆院解散直前の臨時国会で成立した。

リベンジポルノは卑劣な犯罪であり、被害者が受ける傷の深さは計り知れない。決して許してはならない行為だ。

防止法は、ネット上などに第三者が被写体を特定できる方法で、個人的に撮影した裸などの画像を不特定多数に提供すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すとした。

拡散させる目的で特定の人に提供した場合も、1年以下の懲役か30万円以下の罰金を科す。

リベンジポルノが広く知られるようになったのは、昨年10月に起きた東京・三鷹のストーカー殺人事件がきっかけである。被害者の母親は公判で「娘は人目にさらされたくない画像をネットで流され、絶望していた」「(被告は)娘を2回殺したのです」と訴えていた。

事件以降、ネットいじめ対策などに取り組んでいる「全国webカウンセリング協議会」(東京)には、中高生ら未成年を中心に、画像流出に関する相談が急増しているという。

交際していた女性に復縁を迫るため、画像を流出させるなどと脅し、強要や脅迫容疑で逮捕される事件も全国で起きている。

被害の広がりがうかがわれるが、深刻なのは、これらが氷山の一角であり、被害者が泣き寝入りする事例が多いとみられることである。

政府はこれまで、刑法や名誉毀損罪などで処罰できるとし、新たな法整備には慎重だった。

しかし、現行法は被害の拡大に追い付いていない。国会で新法制定の機運が高まり、議員立法で実現させたことは評価できる。

防止法制定と併せて、プロバイダー(接続業者)責任制限法も改めた。発信者の反論がないのを確認して画像を削除するまでの期間を、7日から2日に短縮した。

画像はひとたびネット上に流出すると、複製や転載によって広がる恐れがある。早く削除できるようになったのは一歩前進といえよう。

ただ、それでも拡散を止めるのは容易ではない。

重要なのは、プロバイダーの役割である。有害な画像を削除する義務がなく、自主的な判断に任されているが、被害の深刻さを十分に認識し、申し出があれば被害者の立場に立った対応をしてもらいたい。速やかに警察に通報することも求められる。

国内での対策と同時に、急がれるのは国際的な連携を深めることだ。海外にサーバーがある場合でも迅速に削除できるよう、体制を整えなければならない。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など、ネット社会が急速に発展する中、誰もが被害者になる可能性がある。

ネットは便利な半面、使い方によっては恐ろしい結果を招きかねないことを、家庭や学校で子どもたちにしっかりと教えたい。大人への啓発活動も強める必要がある。

リベンジポルノ法成立 懲役3年以下の罰則新設
2014.11.20 朝刊 

 元交際相手らの裸の画像などをインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐[ふくしゅう])ポルノ」を防ぐための「私事性的画像記録の提供被害防止法」が19日午前の参院本会議で可決、成立した。取り締まりの強化に向け、最高で「懲役3年以下」の罰則を新たに設けた。

 防止法は、インターネット上などに第三者が被写体を特定できる方法で、個人的に撮影した性交や、それに類似する性的な画像記録などを不特定多数に提供した際、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金を科す。

 画像記録を拡散させる目的で特定の者に提供した場合も、1年以下の懲役か30万円以下の罰金とすることも盛り込んだ。

 プロバイダー(接続業者)責任制限法に基づいたネット上の画像削除をめぐっては、発信者の反論がないのを確認して削除するまでの期間を、問い合わせ後7日から2日に短縮することも定めた。

リベンジポルノ 被害実態
2014.10.22 日本テレビ 

自民党が今月9日に自民党リベンジポルノ委員会で被害を防ぐための法案の骨子をまとめた。昨年10月東京三鷹市で女子高生ストーカー殺人で被告の男が被害者の画像をネット上に流出させたことから会が立ち上がった。とある女子高校生は好きな先輩に胸の画像を送って、と言われ渋々送ると、LINEで出回って学校にいけなくなった。今回の法案では「公表罪」として本人の同意なしに不特定多数に公表することに対して3年以下の懲役、50万円の罰金が課される。

リベンジポルノの恐怖 被害女性が告白
2014.08.28 日本テレビ 

元交際相手などのプライベート画像をネット上などに流出させるリベンジポルノという嫌がらせなどを目的にする行為が紹介された。渋谷で女性20人にこの事について聞くと一人も知らなかった。実際にリベンジポルノの被害を受けた女性はまさかこんな事になると思わず下着姿の写真を送ってしまったという。

◎リベンジポルノ深刻 三鷹殺害で被害者画像流出 被害急増、処罰新法動きも
2014.08.02 朝刊 

 交際中に撮ったプライベートな画像を、別れた後に腹いせにインターネット上にばらまく-。若者の間に深刻化する「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」と呼ばれる嫌がらせは、東京・三鷹のストーカー事件などをきっかけに社会問題として顕在化した。拡散すると完全に削除するのは難しく、対策は急務だ。「ネットの性暴力」の被害を防ごうと、国会では新法制定を目指す動きも本格化してきた。

遺族「娘を2回殺した」

 「判決はリベンジポルノの犯罪の本質、被害の大きさを理解していない。今以上に厳しく取り締まり、処罰する法制度が必要です」

 1日、三鷹事件で殺人罪などに問われたA被告(22)に懲役22年を言い渡した東京地裁立川支部判決後、殺害された高3女子生徒の両親は落胆のコメントを公表した。

 7月29日、結審を前に意見陳述した生徒の母親はこう訴え、極刑を求めていた。「娘は人目にさらされたくない画像をネットで流され、絶望していた。被告が犯した罪は殺人だけではない。娘を2回殺したのです」

 公判で、画像流出の動機を「付き合った事実を半永久的に残すため」と語った被告。判決は「極めて卑劣」と断じたが、選んだのは有期刑だった。

 三鷹事件が起きた昨年10月以降、全国webカウンセリング協議会(東京)には中高生ら未成年を中心に、こうした画像流出の相談が急増した。今年6月までの9カ月間で256件に上り、前年同期の18倍だ。

 「学校をやめようか…」。相談者の1人、都内の高1の女子生徒は、以前交際していた同じ学校の男子生徒に「誰にも見せないから」と頼まれて送った胸などの画像が、他の男子生徒の間に無料通信アプリLINE(ライン)で広がっていると知り、ショックを受けた。

 その後、状況を知った学校は男子生徒を退学処分とし、受信した生徒に画像を削除させた。だが「拡散したのでは」の不安は消えない。

 同協議会の安川雅史理事長は「ネットで好奇の目にさらされ続けるのは、性暴力被害に遭うのと同じ」と指摘する。

 対策を強化している警察庁は、脅迫や強要などの容疑で容疑者を摘発して画像の流出を防ぐとともに、流出した画像はプロバイダーに削除を要請している。担当者は「被害者には速やかにネットから消してほしいという要望が強い」と話すが、海外にサーバーがある場合には削除が容易ではない場合もあるという。

 自民党は2月にリベンジポルノ対策の特命委員会を設置。秋の臨時国会で被害者救済を図る法案の提出を目指している。被写体となった人の同意なく性的な画像を公表する行為に罰則を設け、流出した画像の速やかな削除や、被害者の相談窓口整備などを盛り込むことを検討している。

 2002年施行のプロバイダー責任制限法は、削除要請を受けたプロバイダーやサイト管理者が発信者に同意を求めてから7日間反論がない場合、削除しても賠償責任を負わないと定めている。

 しかし、特命委事務局長の三原じゅん子参院議員は「7日間では画像は拡散してしまう」と指摘。「今のネット社会では誰でも被害者になりうる。泣き寝入りしている人もたくさんいる。抑止力になる法律が必要だ」と話している。

 元交際相手への強要未遂容疑で逮捕
2014.06.17 朝刊

 【東京都】日野署は十六日、強要未遂の疑いで町田市中町四、財団法人職員A容疑者(31)を逮捕した。

 逮捕容疑では、A容疑者は今年一月十二日から二十九日にかけ、都内に住む元交際相手の女性(21)に対し、携帯電話でフェイスブックやLINEのメッセージ機能を使い、「リベンジポルノって知ってる?」「公開は考えているから」などと約三十回送信し、復縁を迫ったとされる。容疑を認めている。署によると、A容疑者と女性は五、六年前に知り合ったが、昨年に別れた。女性は今年一月中旬、署へ相談に訪れたという。

リベンジポルノ 被害急増 相談の8割 10代女性=中部
2014.05.18 中部朝刊

 ◆迅速削除へ 自民 法整備検討

 ふられた腹いせに、交際していた相手のプライベートな画像、写真などをネット上で公開する「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が広がっている。愛知県警は今年2月、元交際相手の裸の画像をネットに公開したとして埼玉県の男を名誉毀損(きそん)容疑で逮捕。名古屋地裁が今月、懲役10月の判決を言い渡した。民間団体への相談は、今年3月末までの半年間で172件。前年同期の20倍以上だ。画像をネット上から完全に消し去るのは難しく、自民党は法整備を検討している。

 ■断れず

 「ネットに写真が出ているよ」。関東地方の20歳代の女性は3年前、友人からこう知らされた。心当たりはあった。その半年前、当時の交際相手の求めに応じ、スマートフォンで下着姿の写真を撮影して送っていた。1年半後、無料通話アプリのグループ内で画像が出回っていると聞いた。女性は「今もネット上のどこかに画像が出回っているかも」とため息をつく。

 ネット上のトラブル相談を受ける「全国webカウンセリング協議会」(東京)によると、リベンジポルノ(復讐ポルノ)の被害相談は、昨年10月頃から急増。それまでの月1~2件程度から、今年3月までの半年間は月20件を超えるペースに。

 相談者の約8割は、10代の女性だ。交際中に頼まれ、「浮気されるのが嫌だった」などと思って裸の画像などを送ったケースが目立つという。

 ■削除は困難

 対策として画像の早期削除が有効だが、被害者がサイト管理者に削除を求めても、削除を義務づけた法律はなく、応じるかどうかは管理者任せだ。関東地方の男性(19)は2年前、元交際相手の女性に、下半身が写った画像を同性愛者向けのサイトに投稿された。管理者に削除要請したが、「あなたの画像かどうかわからない」「削除できるのは投稿者」と拒否されたという。

 プロバイダー責任法では、管理者は投稿者に削除の可否を問い合わせ、7日間を過ぎても返事がなければ、削除しても民事上の責任を問われない。ただ、7日を過ぎたら必ず削除するよう求めた規定ではない。管理者が削除に応じても、1週間は画像がネット上に放置され、その間に拡散する恐れもある。

 ■対応策

 こうした現状を踏まえ、自民党は今年2月、対応策を検討する特命委員会を設置した。画像をすぐに削除できる仕組みなどを主なテーマとしており、法改正も視野に入る。「ネットの画像は誰もが見られる。被害者にとって不快な画像を削除できないのは、路上にばらまかれた写真が放置されているのと同じ」。委員会事務局長の三原じゅん子参院議員は強調する。委員会では加害者を処罰する新法の整備も議題としている。

 これに対して総務省は「現在の法律や業界団体が定めた指針で、問題の画像は速やかに削除できている」と主張。表現の自由を侵害する恐れもあるとして、管理者に削除などを義務づけることには慎重だ。委員会では、画像をさらした目的が、嫌がらせかどうかにかかわらず、被害者の同意がなければ違法とすべきだとの意見もあるが、法務省は「同意の有無を立証するのは難しい」との姿勢だ。

リベンジポルノ(復讐ポルノ)被害拡散 10代の相談急増 迅速削除へ自民議論
2014.05.17 東京夕刊

 ふられた腹いせに、交際していた相手のプライベートな画像、写真などをネット上で公開する「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が広がっている。民間団体への相談は、今年3月末までの半年間で172件。前年同期の20倍以上だ。画像をネット上から完全に消し去るのは難しく、自民党は法整備を検討している。

 ■断れず

 「ネットに写真が出ているよ」。関東地方の20歳代の女性は3年前、友人からこう知らされた。心当たりはあった。その半年前、当時の交際相手の求めに応じ、スマートフォンで下着姿の写真を撮影して送っていた。1年半後、無料通話アプリのグループ内で画像が出回っていると聞いた。女性は「今もネット上のどこかに画像が出回っているかも」とため息をつく。

 ネット上のトラブル相談を受ける「全国webカウンセリング協議会」(東京)によると、リベンジポルノ(復讐ポルノ)の被害相談は、昨年10月頃から急増。それまでの月1~2件程度から、今年3月までの半年間は月20件を超えるペースに。同協議会の安川雅史理事長は「リベンジポルノ(復讐ポルノ)関連の事件が報じられたことで注目が集まり、それまで言い出せなかった被害者が相談するようになった」と推測する。

 相談者の約8割は、10代の女性だ。交際中に頼まれ、「秘密だから」「浮気されるのが嫌だった」などと思って裸の画像などを送ったケースが目立つという。

 ■削除は困難

 対策として画像の早期削除が有効だが、被害者がサイト管理者に削除を求めても、削除を義務づけた法律はなく、応じるかどうかは管理者任せだ。関東地方の男性(19)は2年前、元交際相手の女性に、下半身が写った画像を同性愛者向けのサイトに投稿された。管理者に削除要請したが、「あなたの画像かどうかわからない」「削除できるのは投稿者」と拒否されたという。

 プロバイダー責任法では、管理者は投稿者に削除の可否を問い合わせ、7日間を過ぎても返事がなければ、削除しても民事上の責任を問われない。ただ、7日を過ぎたら必ず削除するよう求めた規定ではない。管理者が削除に応じても、1週間は画像がネット上に放置され、その間に拡散する恐れもある。

 ■対応策

 こうした現状を踏まえ、自民党は今年2月、対応策を検討する特命委員会を設置した。画像をすぐに削除できる仕組みなどを主なテーマとしており、法改正も視野に入る。「ネットの画像は誰もが見られる。被害者にとって不快な画像を削除できないのは、路上にばらまかれた写真が放置されているのと同じ」。委員会事務局長の三原じゅん子参院議員は強調する。委員会では「抑止力として必要だ」として、加害者を処罰する新法の整備も議題としている。

 これに対して総務省は「現在の法律や業界団体が定めた指針で、問題の画像は速やかに削除できている」と主張。表現の自由を侵害する恐れもあるとして、管理者に削除などを義務づけることには慎重だ。委員会では、画像をさらした目的が、嫌がらせかどうかにかかわらず、被害者の同意がなければ違法とすべきだとの意見もあるが、法務省は「同意の有無を立証するのは難しい」との姿勢だ。

 園田寿・甲南大教授(刑法)の話「リベンジポルノ(復讐ポルノ)の本質は性暴力。相手の性的羞恥心を傷つけるような画像・映像を不特定多数にさらす行為はすぐさま犯罪とすべきだ」

秘密の写真、まさか拡散 破局腹いせ、ネットで「リベンジポルノ」 【大阪】
2014.05.15 大阪朝刊 

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」。交際中や親しい間柄の時に撮影した女性の体の画像をインターネット上に流出させる行為だ。別れた腹いせや逆恨みがきっかけになることが多いとされるが、被害を訴えるケースが急増している。いったん出回った画像をすぐに削除するのは容易ではなく、専門家からは速やかな法規制を求める声も上がる。

 「私の胸や局部の画像がLINE(ライン)に出回っているんです」

 東京都内の高校に通う女子生徒から昨年12月、「全国webカウンセリング協議会」(東京)に相談があった。LINEは若者を中心に使われているスマートフォンの無料通信アプリ。生徒の画像は、複数の仲間と画像付きメッセージをやり取りできる「トーク」という機能を通じて見られるようになっていた。

 画像を送ったとみられるのは、生徒とけんかして別れた元交際相手だった。画像は次々と転送され、広がっていった。生徒は協議会の担当者にこう伝えたという。「ショックを受け、学校に行けない状態が続いています。辞めようか……」

 大阪府内の高校3年の女子生徒も昨秋、ネット上の画像掲示板に自分の裸の上半身と下着姿の画像を投稿された。かつて付き合っていた男性が撮影したものだったという。

 直接会っていなくても、リベンジポルノ(復讐ポルノ)の被害に遭うケースもある。

 今年3月、都内に住む女性(19)のスマートフォンが鳴った。「お前、俺のことナメすぎてっからさー、いつでも(画像を)流せるんだからな」。相手は「24歳の看護師」を名乗る男。2カ月前に無料通話アプリの掲示板で知り合った。

 男は悩みやたわいもない話を真剣に聞いてくれた。やりとりを重ねるうち、写真を送るよう求められた。要求はエスカレートしていき、女性は言われるまま自分で撮った下着姿や裸の画像を送ってしまった。

 その後、男は別れを切り出した女性の画像をネット上にばらまくと脅したとして警視庁に脅迫容疑で逮捕され、裁判などで一連の経緯が明らかに。男は「24歳の看護師」ではなく、福島県の介護士(40)だった。女性は警視庁に「彼のことが好きだった。流出させられるとは思ってもみなかった」と話したという。

 こうしたリベンジポルノ(復讐ポルノ)をめぐり、全国webカウンセリング協議会に昨年10月~今年3月に寄せられた相談は計172件に上る。13件だった昨年4~9月の13倍。相談者の大半は女子の中学生か高校生で、理事長の安川雅史さんは「スマホが普及したことに加え、昨秋に東京都内で起きた刺殺事件で、被告の男が被害少女の画像をネット上に流出させていたことが相談急増の背景にあるのではないか」とみる。

 ■「表現の自由」削除は困難

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)の被害に遭わないためには、どうすればいいのか。安川さんは「『彼氏が求めるから』といって、安易に自分の画像を送らないようにしてほしい」と求める。

 万が一、流出させられた場合、LINEやネット上の掲示板の運営管理者に画像の削除を求める手段がある。ところが、協議会は被害者に代わって画像の削除を要請しても、簡単に消すことができないという。

 LINEの運営会社は、「通信の秘密」を保障した憲法21条や電気通信事業法4条を理由に挙げ、「個人と個人のやり取りは監視できない」との立場をとる。

 ネット上の掲示板の管理者は原則として削除に応じる一方、投稿者の反論を待つ猶予期限(7日間)を設けている。21条の「表現の自由」を尊重するためにできたプロバイダー責任制限法(2002年施行)にもとづく措置だが、この7日の間に被害者の画像が拡散するケースも少なくないという。

 日本最大級のネット掲示板「2ちゃんねる」では、ボランティアが削除要請を受け付けている。しかし、東海地方のボランティアの男性が実態を打ち明ける。「表現の自由を言い訳にして、削除に応じないボランティアがいる」

 ■米では処罰法、日本は未整備 専門家「本質は性暴力」

 法律でリベンジポルノ(復讐ポルノ)を規制している国もある。米国のカリフォルニア州では昨年、嫌がらせ目的で性的な画像をネットにさらす行為を処罰する州法が成立。違反者には、最高で禁錮6カ月か1千ドルの罰金が科せられる。

 これに対し、日本にはリベンジポルノ(復讐ポルノ)を取り締まる法律はなく、自民党が今年2月に法制化に向けた議論を始めたばかりだ。わいせつ画像のネット投稿について、警察や検察は「児童ポルノ禁止法」などを適用して捜査している。

 ネット問題に詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑事法)は「リベンジポルノ(復讐ポルノ)の本質は性暴力。通信の秘密や表現の自由と同列で論じる関係にない」と指摘。その上で「法制化で違法行為を限定すれば、国側が『プライバシー保護』を名目にネットの規制に踏み出すことも抑えられる。憲法が保障する権利を守ることにもつながる」と話す。

    ◇

 <憲法21条>

 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 <電気通信事業法4条>

 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。

 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

リベンジポルノ(復讐ポルノ) 被告に実刑判決 名古屋地裁=中部
2014.05.13 中部朝刊 

 元交際相手の女性の裸の画像などをインターネット上に公開する「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」で女性に精神的苦痛を与えたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた無職A被告(46)に対し、名古屋地裁は12日、懲役10月(求刑・懲役1年)の判決を言い渡した。

 山田亜湖裁判官は判決理由で、「インターネット上の画像の回収見込みは極めて乏しく、女性の羞恥心、精神的苦痛は極めて大きい」と指摘。「経緯や犯行動機は、身勝手で酌むべき点はない」と断じた。

 判決によると、A被告は2013年8月、埼玉県内の自宅で、携帯電話を使い元交際相手の女性の顔や上半身が写った画像をインターネットサイトに投稿。誰でも閲覧できる状態にして女性の名誉を傷つけた。

リベンジポルノ(復讐ポルノ)の男に懲役10月
2014.05.13 東京朝刊 

 元交際相手の女性への恨みから、女性の半裸画像をインターネットに投稿する「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」をしたとして、名誉毀損(きそん)の罪に問われた埼玉県上尾市、無職、A被告(46)の判決公判が12日、名古屋地裁で開かれ、山田亜湖裁判官は懲役10月(求刑懲役1年)を言い渡した。

 山田裁判官は判決理由で「女性の実名を記載した掲示板を立ち上げ、顔入りの画像を掲載しており犯行は卑劣で悪質」と指摘。ネットへの画像流出には「回収の見込みが極めて乏しく、被害者の羞恥心、精神的苦痛は大きい」と述べた。被告の動機は「女性が一方的に離れていったことや警察からストーカー扱いされたことに怒りを募らせ犯行に及んだ。短絡的かつ身勝手で、酌むべき点はない」とした。

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)実刑 名古屋地裁判決 「画像の回収困難」
2014.05.13 朝刊 

 元交際相手の裸の写真をネット上に投稿したとして、名誉毀損(きそん)の罪に問われた埼玉県上尾市、無職A被告(46)の判決公判が十二日、名古屋地裁であり、山田亜湖裁判官は「犯行態様は卑劣で悪質。インターネットの画像は回収の見込みが極めて乏しく、被害女性の精神的苦痛は大きい」などとして、懲役十月(求刑懲役一年)を言い渡した。

 判決によると、被告は昨年八月、愛知県内に住む元交際相手の三十代女性の顔入りの裸の写真をサイトに投稿し、女性の名誉を傷つけた。

 別れた後で腹いせに元交際相手のわいせつな写真をネット上に公開する行為は「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」と呼ばれ、近年社会問題化している。

10代襲うリベンジポルノ(復讐ポルノ) スマホ普及で被害拡大
2014.05.06 東京朝刊 

 ふられた腹いせに、交際していた相手のわいせつ画像をインターネット上に流出させる――。「リベンジ(復讐〈ふくしゅう〉)ポルノ」と呼ばれる被害が増えている。いったん画像が流出すると拡散を防ぐのは難しい。被害者の大半は、10代の子どもたちだ。

 東京都内に住む女性(19)のスマートフォン(スマホ)が鳴った。

 「お前、俺のことナメすぎてっからさー、いつでも(画像を)流せるんだからな。忘れんなよ」

 今年3月のことだ。

 相手は「24歳の看護師」を名乗る男。2カ月前に無料通話アプリの掲示板で知り合った。悩みやたわいもない話を真剣に聞いてくれた。女性は好意を抱くようになった。メッセージのやりとりを重ねるうち、写真を送るよう求められた。「顔が見たいな」。要求はエスカレートした。下着姿、そして裸。言われるまま、自分で撮った画像を送った。

 4月末にあった初公判などで明らかにされた2人の「交際」だ。男は女性から別れを切り出され、画像をネット上にばらまくと脅したとして、警視庁に脅迫容疑で逮捕された。

 2人は直接会ったことがなかった。男は福島県在住の介護士(40)で、示していたプロフィール写真は別人のものだった。

 「画像を渡したのは彼のことが好きだったし、流出されるなんて思ってもみなかった」。女性は警視庁の事情聴取に答えたという。

 10代の少女たちが「自画撮り」した裸の画像を交際相手に送って、被害に遭う事例は増えている。警察庁のまとめでは、全国で昨年、児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで摘発された事件のうち、18歳未満に自画撮りの画像を送らせていたのは318件で、前年の1・3倍。捜査幹部は「スマホの普及が背景にある」とみる。

 ■「2人の秘密」共有に危うさ

 「『2人だけの秘密』の共有を迫られて断れなかったり、ネット上の『見ず知らず』の関係に気を許してしまったりする被害者が多い」。ネット上でのトラブル相談を受け付けている「全国webカウンセリング協議会」(東京)の安川雅史理事長は指摘する。

 都立高校2年の女子高生(16)もそんな一人だ。

 彼氏に「おっぱいの写真送って」と頼まれ、スマホで自分の胸元を撮って送った。「正直、気持ち悪かった。彼氏も、送っちゃった自分も。でも、嫌われたくなかった」。彼氏とは別れたが、画像が悪用されないか今も心配だ。

 協議会では、多くても月3件ほどだった被害相談が昨年半ばから急増。今年3月には1カ月としては過去最多の32件が寄せられた。過去2年間に寄せられた相談の約9割は女子中高生からだ。約7割は実際に交際していた相手とのトラブルだったが、約3割は無料通信アプリなどネット上で交流していた相手だった。

 安川理事長は「保護者や学校が子どもたちに、自分を傷つけるような画像を安易に送るのは危険だと伝えることが大切だ」と話す。有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングソフトの活用も効果的だという。

 (牛尾梓)

 ■米は法整備、日本も検討

 警察は個別の事案ごとにさまざまな法律を適用して事件化を図っている。

 京都府警は昨年12月、女子中学生(当時14)のわいせつな姿を撮影し、「動画をインターネットでばらまく」と脅した男(同24)を児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕。愛知県警は今年2月、元交際相手(同37)の半裸の画像をネットに投稿したとして、無職の男(同46)を名誉毀損(きそん)容疑で逮捕した。ただ、いったんネット上に画像が流出すると完全に削除するのは難しい。

 被害者が自殺したり、名前を変えざるをえなかったりするなど、被害が2000年代から深刻化している米国では流出行為を禁じる法整備が進む。ニュージャージー州では04年、本人の許可なく性的な画像を流出させることを禁止。カリフォルニア州では昨年、嫌がらせ目的で画像をネットに載せることが禁じられた。違反者には最高で禁錮6カ月か1千ドルの罰金刑が科される。

 自民党は今年2月、特命委員会を設置し、罰則を盛り込んだ新法の検討を始めた。早ければ今国会での議員提案を目指す。委員会事務局長の三原じゅん子参院議員は「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は被害が一生ついてまわる性暴力であり性犯罪。日本は遅れている」と話す。

深刻「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」 別れた腹いせ―相手の写真をネット流出 削除困難「気軽に送らないで」
2014.04.26 信濃毎日新聞夕刊 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 ▼氷山の一角

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

 ▼教育が必要

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

元交際相手脅迫、28歳容疑者逮捕 メールで「動画ばらまく」 /和歌山県
2014.04.25 大阪地方版/和歌山 

 元交際相手の動画をインターネット上に拡散すると脅したとして、和歌山北署は24日、和歌山市湊御殿2丁目、アルバイト従業員A容疑者(28)を脅迫容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 署によると、堀家容疑者は8日午前5時半~同6時ごろ、20代の元交際相手の女性に「ネットにさらしたら消えんぞ」などといったメールを約10回送信し、脅迫した疑いがある。女性には以前もA容疑者から同様のメールが送られていたといい、女性が署に相談し、被害届を出していた。

 県警によると、嫌がらせ目的で元交際相手の画像や動画をネット上に公開する行為は「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」と呼ばれ、県内での摘発は珍しいという。

リベンジポルノ(復讐ポルノ) 若者被害が深刻/法規制 自民党が検討/専門家「気軽に画像送らないで」
2014.04.24 朝刊 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

氷山の一角

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

人生を破壊

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

削除が第一

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

 ゆがんだ「愛情」 ストーカー犯罪 元交際相手の復讐投稿 絶えず 流出画像 消えぬ傷 安易な撮影注意を
2014.04.22 朝刊 

 嫌がらせで、元の交際相手や配偶者のわいせつ画像をインターネットに流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が後を絶たない。投稿者が摘発されても、流出画像を消し去るのは至難の業だという。身近な人に画像を見られたショックから、心に深い傷を残す被害者もいる。

 「ネット上に出回った画像を削除できますか」。戸惑いに満ちた相談が昨年十月、ネットの人権問題に取り組む、全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられた。相談主は、関西地方の高校教諭だ。

 担任する女子生徒の裸の画像が、無料でメッセージをやりとりできるスマートフォンのアプリ「LINE(ライン)」や、短文投稿サイト「ツイッター」で出回っていた。

 女子生徒は別の高校の男子生徒と交際中、求められて裸を撮影し、男子生徒に送った。別れた後、男子生徒は画像をクラスのLINE仲間に送信。それが近くの高校に広まっていった。

 問題が発覚し、男子生徒は退学処分に。女子生徒は登校しているものの、ふさぎ込んだままだという。

 違法・有害情報相談センター(東京)によると、通常、サイト管理者は、規約を設け、投稿されたわいせつ画像を削除している。権利侵害が明白な画像は、削除しても許されるとするプロバイダー責任制限法も定められている。

 ただ、管理者によって、わいせつ性の判断や、対応の速さに差がある。

 また、ネット掲示板など公開サイトと比べ、LINEのように、会員間での交流サービス上に投稿されると、拡散状況を把握しづらい。「通信の秘密」があり、管理者は逐一、投稿内容を閲覧していないという。

 女子生徒のケースでも、流出先をつかみきれない状況になってしまった。

 ネットトラブルに詳しい清水陽平弁護士は「LINEのように閉じられた世界に流出した場合、削除は極めて困難」と指摘。「第三者に見られたくない画像を撮らせたり、送ったりしないのが大事だが、もし被害に遭ったら、拡散を防ぐため、早急に削除に動くべきだ」と訴えている。

 相談が急増 9割中高生

 加害者ネットの知人も

 全国webカウンセリング協議会によると、リベンジポルノ(復讐ポルノ)についての相談は昨秋から増えている。それ以前は月二、三件だったが現在は三十件ほどある。

 安川雅史理事長は「携帯電話やスマートフォンの普及で、私的な画像を気軽に撮影する人が増えたことや、リベンジポルノ(復讐ポルノ)をメディアが取り上げ始めたのが影響している」とみる。

 相談者の九割以上を中高生の少女が占める。加害者の六割は元交際相手だが、四割は出会い系アプリや掲示板を通じたネット上の知り合いだという。

 安川理事長は「『二人だけの秘密』と軽い気持ちで撮影したり、現実社会で友人が少ないため、『捨てられたくない』とネット上の知り合いに送ったりしている」と懸念する。

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)の被害の一部は事件化されている。警視庁は昨年十二月、復縁しなければ裸の写真をばらまくと三十代の元交際相手を脅したとして強要未遂容疑で男(30)を逮捕。今年二月には愛知県警が元交際相手(37)の写真をネットに投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男(46)を逮捕している。

 このほか、刑法のわいせつ図画公然陳列などに問われたり、被写体が十八歳未満なら児童ポルノ禁止法違反に問われたりする可能性もある。ネット上で見つけた画像を転送して拡散させる行為が、違法とされる場合もある。

 安川理事長は年間二百五十回ほど、子どもや保護者、教諭らを対象に講演会を開いている。「軽率に撮影させた画像が一生を台無しにする。そして、リベンジポルノ(復讐ポルノ)は立派な犯罪だと伝えたい」と強調する。

リベンジポルノ(復讐ポルノ)深刻化 元恋人の画像 ネットにばらまき スマホ普及 若者ら被害 自民 罰則強化へ新法も
2014.04.22 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐=ふくしゅう)ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

【ずっと後悔】

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

【人生を破壊】

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

【消去は困難】

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。(共同通信社)

リベンジポルノ(復讐ポルノ)深刻化 ネット上に元恋人の裸写真… 若者の相談急増、摘発も 完全削除難しく/米は新法で規制
2014.04.22 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

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 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨秋、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

    □     □

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

リベンジポルノ(復讐ポルノ)深刻化 福岡でも逮捕者 識者「画像送らないで」
2014.04.22 

 福岡県内では博多署が2010年5月、以前交際していた女性=当時(20)=に「裸の写真をばらまくぞ」と脅す内容の携帯メールを複数回送信したとして、脅迫容疑で福岡市内の派遣社員の男=同(26)=を逮捕。福岡市男女共同参画推進センター・アミカスによると、リベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談電話は毎年数件あり、精神的に落ち着かせた後で警察への相談を勧めているという。

 ネットへの問題意識が希薄な子どもが被害に遭う場合も少なくない。福岡市の市民団体「子どもねっと会議所」の井島信枝代表は中学校や高校での講演で、交際相手に画像を送る際は注意するよう呼び掛けている。井島さんは「子どもは、『好きだから』と感情に溺れて相手を信用しがち。いったん手を離れた画像は、後にどういう使い方をされるか分からないということを、保護者もよく言って聞かせる必要がある。まず、裸の画像などを撮らせたり、送ったりしないことだ」と強調する。

「ネットの性暴力」深刻化  リベンジポルノ(復讐ポルノ)、被害拡大  軽はずみな行動に警鐘、米では新法も
2014.04.21 佐賀新聞 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

◆氷山の一角

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除したが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

◆人生を破壊

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じて名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

拡大「ネットの性暴力」 リベンジポルノ(復讐ポルノ)深刻化 若者中心に相談急増 「撮影しない」「送信しない」 自衛の教育も必要
2014.04.20 朝刊 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 ▽女性の人生破壊

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノに関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 協議会の安川雅史理事長は「本人が流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せず泣き寝入りする人も多いという。

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

 ▽新法整備目指す

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

表層深層=「ネットの性暴力」拡大 別れた後裸の写真流出-自民、法規制を検討
2014.04.20 朝刊 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 ■氷山の一角

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

 ■人生を破壊

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

 ■削除が第一

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

表層深層 FOCUS/元恋人の裸写真をネット流出/中高生ら被害深刻/削除困難、法規制の動き
2014.04.20 宮崎日日新聞朝刊 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐=ふくしゅう)ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

 ▽氷山の一角

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノ(復讐ポルノ)に関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

 ▽人生を破壊

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

 ▽教育が必要

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。

 刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

表層深層=リベンジポルノ(復讐ポルノ)深刻化 広がる「ネットの性暴力」 専門家警鐘、新法検討も
2014.04.20 朝刊 

 元恋人や元配偶者の裸の写真などを、別れた後に腹いせにインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」の被害が、若者を中心に深刻化している。「ネット上の性暴力」とも言われ、米国では一部の州で規制する法律が成立、日本でも自民党が検討を始めた。いったん流出すると完全な削除は難しく、専門家は「好きな相手でも、気軽に画像を送らないで」と警告する。

■氷山の一角

 「おまえの下着姿の写真がネットに流れていたよ」。2011年冬、当時10代だった女性は一瞬、電話口の知人の言葉が理解できなかった。

 「そういえば」。その年の夏、交際を始めたばかりの男性から「写真を送ってよ」と言われ、下着姿の2枚の画像を送ったのを思い出した。「好きだったし、抵抗を感じなかった」。その後、暴力を振るわれるようになり、もう別れていた。

 画像は民間機関に依頼して削除してもらったが「誰かに見られるのでは」という恐怖は消えない。「ずっと後悔している。なんであんな画像を送ってしまったのか…」

 全国webカウンセリング協議会(東京)に寄せられるリベンジポルノに関する相談は、昨年9月までは月数件だったが、最近は月20件以上に増えた。スマートフォンの普及で、画像の撮影や送信がしやすくなったことが背景にあるとみられ、中高生など若者からの相談が目立つ。

 今年2月には愛知県警が、元交際相手の半裸画像をネット上に投稿したとして名誉毀損(きそん)容疑で男を逮捕するなど、警察が摘発するケースもでてきた。だが協議会の安川雅史理事長は「本人が画像の流出を知らないこともあり、事件は氷山の一角」と指摘。周りに知られることを恐れ、警察や親に相談せずに泣き寝入りする人も多いという。

■人生を破壊

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)が社会問題化している米国では、カリフォルニア州で昨年10月、裸の写真などを嫌がらせ目的でネット上に掲載し、深刻な精神的苦痛を与える行為を処罰する新法が成立。アイダホ州やユタ州などでも制定が相次いだ。

 法整備を訴えてきたホリー・ジェイコブスさん(30)は、元恋人の嫌がらせに苦しむ一人だ。

 09年、交流サイト「フェイスブック」の自身の写真が突然、元恋人しか持っていないはずの裸の画像に差し替えられた。画像は名前や電話番号などの個人情報と共に何百ものサイトに掲載され、仕事に支障が生じてやむなく名前まで変えた。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)は女性の人生を破壊する。サイバー上のレイプだ」

■消去は至難

 自民党は2月、リベンジポルノ(復讐ポルノ)対策の特命委員会を設置し、画像の拡散防止や罰則強化を柱とした新法整備を目指す方針を確認した。刑法など現行法で対応できるとの意見もあるが、事務局長の三原じゅん子参院議員は「被害者が求めるのは一分一秒でも早く、流出した画像を削除すること。その環境を整備し、泣き寝入りを防ぐために新法は必要」と力を込める。

 とはいえ、画像をネット上にばらまかれると完全な消去は至難の業だ。安川理事長は全国の学校などで講演し、自分を守る教育の必要性を訴える。「『流出して困るような画像を軽はずみに撮影しない、人に送らない』と家庭や学校で教えることが大事だ」と話している。

リベンジポルノ(復讐ポルノ)、米の闇 性的画像、腹いせに元恋人ら投稿
2014.03.20 東京朝刊 

 別れた腹いせに、以前の恋人や配偶者の裸や性行為の写真をネット上にさらす「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」が、IT大国・米国で深刻化している。日本では自民党が法規制の議論を始めたところだが、米国では取り締まりの動きがカリフォルニア州などで広がっている。ただ、悪用して収入を稼ぐサイトも後を絶たず、規制はなかなか追いつかない。

 ■削除しきれず名前変えた

 プロフィル写真が自分のあられもない姿になってる――。フロリダ州マイアミのホーリー・ジェイコブズさん(30)は2009年1月、友人からの電話で自身のフェイスブックを開き、がくぜんとした。

 ポルノサイトにも裸の写真が何枚も載っていることがわかった。しかも自分のフルネームつきで。

 写真は約1カ月前に別れた年下の男性しか持っていないはずだった。男性とは05年に交際を始め、博士号取得のために引っ越した約1年後から遠距離恋愛に。その間、写真や動画を撮り合い、共有してきた。

 「取り締まってほしい」。三つの警察署を回ったが、「該当する法規制がない」と言われるばかり。弁護士を通じて09年8月、削除するよう男性に伝えた。男性は「やっていない」と否定はしたが、写真や動画はいったんサイトなどから消えた。だが11年11月、新たな恋人との写真をフェイスブックに投稿すると、写真や動画が今度は200以上のサイトにあふれた。氏名だけでなく職場まで書かれた。

 再び弁護士に相談すると、「全部に対処すると何十万ドルもの弁護士費用がかかりますよ」。そんなお金はない。米連邦捜査局(FBI)や地元の議員に駆け込んだがだめだった。ついには上司や同僚にまで写真が送られるようになった。

 「サイバー上の性的暴力だ。こんなに気持ちが弱っていくことはなかった」。転職し、12年6月には法的に氏名も変えた。削除依頼も地道に続けたが、ネット上からすべてを消すのは難しい。「昔の名前をネットで見ないようにするしかない」

 被害者は泣き寝入りするばかり――。ジェイコブズさんは12年8月、法規制を政治家らに求め、被害者が苦しみを分かち合うためのサイト「リベンジポルノを根絶せよ」を立ち上げた。日本からも含む3千人以上の被害者がサイトに集まり、経験を共有する。

 ■金もうけに悪用、サイト次々

 「申し訳ないが、君の過ちをお金にしようって頭が、俺には働くんでね」。黒い野球帽を後ろ向きにかぶった男が挑発的に語る。そんな約12分の動画が昨秋、投稿サイト「ユーチューブ」に掲載された。

 この冬、個人情報の窃盗や共謀罪などで起訴され無罪を主張しているハンター・ムーア被告。「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」を募るサイトを数年前に立ち上げ、広告収入を得るビジネスにしてきた。映像を掲載された女性に刺されてもサイトを続け、米フォーブス誌によると、一時は月約1万3千ドル(約130万円)を売り上げた。

 スマートフォンで手軽に写真を共有できるようになったことで、リベンジポルノ(復讐ポルノ)の問題は深刻になっている。米国の同種の別のサイトは集団訴訟を起こされて閉鎖したが、関係者が再開を宣言。第三者が不正アクセスで取得した写真を掲載し、当事者に買い取らせるサイトもある。

 被害者は主にプライバシー侵害や映像の著作権を根拠に訴えてきたが、サイト運営者がわからない場合が多い。映像を削除できても別のサイトで復活するケースも多く、いたちごっこだ。

 「非難されるべきだが、犯罪には当たらない」。ニューヨークの地裁で2月18日、こんな判決が出た。

 判決文によると、男が昨年7月、元交際相手の女性のみだらな写真をツイッターに投稿し、女性の上司らにも送信。悪質な嫌がらせや不快な性的素材の公然陳列罪などに問われたが「ツイッター投稿や一部の個人への送信では公然陳列罪を問えない」と判断された。

 ■進む法規制に抜け穴

 被害者を中心に法整備を求める声が高まっている。カリフォルニアでは州法が昨年10月1日付で成立し、即日施行された。元交際相手などが撮影した性的な映像を、自ら嫌がらせ目的で州内でネット上に掲載すれば、最高で禁錮6カ月か1千ドルの罰金が科せられる。しかし、米国ではリベンジポルノの約8割が被害者本人が撮った「自撮り」映像の悪用だとの調査があり、こちらも対象とする新法案が2月に提案された。

 ニュージャージー州では同種の法律が04年に先行しているほか、ニューヨーク州やメリーランド州、ユタ州などでも検討が進む。

 それでも、第三者による転載は罰則対象ではなく、ムーア被告らのサイトビジネスはこうした法の網から漏れる。「嫌がらせ目的だとの証明が難しい例もあるだろう」と、ネットの法規制に詳しい米サンタクララ大学のエリック・ゴールドマン教授は指摘する。

 一方、米電子フロンティア財団は「被害者のいない事例に適用されたり、検閲につながったりする可能性がある」と表現の自由の観点から法規制に疑問を唱える。フロリダ州では昨年、法案が不成立となったが、CNNによると表現の自由への懸念が背景にあった。

 どう自衛すれば良いのか。「映像を共有した相手が一生裏切らないと考えるのは賭けのようなもの」。ゴールドマン教授は簡単に写真を撮らないよう呼びかける。一方で、被害を経験したジェイコブズさんは言う。「でも、自分を責めないで。悪いのは掲載した人たちなのだから」(ロサンゼルス=藤えりか)

 ■米国でのリベンジポルノ(復讐ポルノ)の最近の主な事例(米メディアやFBIの資料などによる)

 <2013年5月>

 ・性的映像をばらまくと脅した元恋人の保安官代理をフロリダの女性が提訴。保安官代理とは前の恋人によるリベンジポルノ被害の相談から交際に発展していた

 <12月>

 ・リベンジポルノ(復讐ポルノ)の映像を集めたサイト「ユー・ガット・ポスティッド」を運営したサンディエゴの男が個人情報窃盗やゆすりなどの容疑で逮捕

 <2014年1月>

 ・複数の第三者のメールに不正アクセスして裸の映像を取得した男と、それを買い取ってサイト「イズ・エニワン・アップ」に載せたハンター・ムーア被告を米連邦捜査局(FBI)が逮捕

 <2月>

 ・性的映像をばらまくと脅し、動画をユーチューブに投稿した元恋人をテキサスの女性が提訴。50万ドル支払いの判決

 ・性的映像の投稿を促し、女性側に250ドルで買い取らせるサイトを運営したオクラホマの男がゆすりなどの容疑で逮捕

”裸の写真流出させる” 脅迫容疑の男 逮捕
2014.03.10 NHK総合 

警視庁によると、容疑者は先月中旬、知り合いで都内に住む19歳の女性から連絡を取るのを拒まれたことに腹を立て、「別れるなら裸の写真を流出させる」などというメールを送って脅したとして脅迫の疑いがもたれている。これまでの調べによると、容疑者はことし1月にスマートフォン向けの無料通話アプリを通じて女性と知り合い、会ったことはなかったが、写真を送らせるなどのやり取りをしていたという。元交際相手などの写真などをばらまく行為はリベンジポルノ(復讐ポルノ)と呼ばれ、警視庁が詳しいいきさつを調べている。

リベンジポルノ規制へ 自民が特命委
2014.02.28 東京朝刊

 嫌がらせ目的で裸の画像や動画をネット上に公開する「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」を規制する新法制定にむけ、自民党は27日、特命委員会(平沢勝栄委員長)を設置して議論を始めた。今国会中の成立を目指す。ネット上の画像や動画の削除をプロバイダーに求めることを可能にする。加害者への罰則規定を盛り込むことも検討する。外国のプロバイダーに削除を求めるため、同様の法律を持つ国と条約を結んで対応することも課題とする。

リベンジポルノ (復讐ポルノ)拡散をどう防ぐ
2014.02.28 NHK総合大阪 

被害が深刻になる前に画像の拡散を食い止めるため、和歌山県田辺市では4年前からNPOが警察の委託を受けて違法な画像や書き込みを見つける活動を行っている。これまでに通報した件数はおよそ1000件だが、限界があるという。

リベンジポルノ(復讐ポルノ) すべて削除するには
2014.02.28 NHK総合大阪 

晒されてしまった自分の画像をすべて消し去る方法はないかを取材するため、画像を検索するプログラムを開発しているNTTメディアインテリジェンス研究所を取材。同じ商品を写した画像を一括して検索するシステムを開発していて、精度が上がれば拡散してしまったリベンジポルノの画像を一度に検出することができるという。しかし、被害女性の相談に乗ってきた清水弁護士は検出が出来るようになるだけではネットから画像をすべて無くすことは出来ないという。

「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」対策法案 自民特命委 被害防止や救済盛り込み提出へ
2014.02.27 NHKニュース 

 自民党は、交際中に撮った相手のプライベートな画像などをインターネット上に流出させる嫌がらせ、いわゆる「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」に関する特命委員会の初会合を開き、今の国会に、被害の防止や救済策などを盛り込んだ法案の提出を目指すことを確認しました。

 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」は、交際中に撮った相手のプライベートな画像などを、相手にふられた恨みなどから、インターネット上に流出させる嫌がらせのことです。

 自民党は、きょう、この問題に関する特命委員会の初会合を開き、委員長を務める平沢・政務調査会長代理は、「表に出ていない被害も多く、実態は相当、深刻だ。被害者の救済を第1に考え、1人でも多く救われるよう頑張りたい」と述べました。

 このあと、出席者から、「流出した画像をインターネット上から強制的に削除させるための法整備が必要だ」という意見や、「日本だけではなく、各国が連携して取り組む必要がある」といった指摘が出されました。

 そして、特命委員会では、今後、海外の取り組みなども参考にしながら、被害の防止や救済策を盛り込んだ法案を取りまとめ、今の国会への提出を目指すことを確認しました。

名誉毀損:元交際相手の裸画像投稿 容疑で埼玉の男を逮捕
2014.02.27 北海道朝刊

 元交際相手の女性の半裸画像をインターネット上に投稿したとして、愛知県警南署は25日、埼玉県上尾市平塚、無職、A容疑者(46)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。女性から別れ話を切り出された後に、執拗(しつよう)にメールや電話を繰り返していたといい、南署は、画像の投稿も腹いせの「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」だったとみている。

 元交際相手や元配偶者の画像を、恨みなどからネット上に投稿するリベンジポルノ(復讐ポルノ)は若者を中心に社会問題化し、自民党が対策の検討に乗り出している。

 逮捕容疑は昨年8月13日、以前に交際していた名古屋市南区の女性(37)が半裸で写っている画像1枚を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿。不特定多数の人が閲覧できるようにして女性の名誉を傷つけた疑い。

リベンジポルノ(復讐ポルノ)で新法整備へ 自民、画像拡散を防止
2014.02.27 共同通信

 自民党は27日、元交際相手や元配偶者の私的な画像をインターネット上に流出させる嫌がらせ行為「リベンジ(復讐)ポルノ」問題に関する特命委員会の初会合を開き、投稿画像の拡散防止や加害者の罰則強化を柱とする新法を整備する方針を確認した。議員立法として今国会提出を目指す。

 会合では、画像の削除要請に従わないサイト管理者への対応や、海外のサーバーを経由して流出するケースを念頭に各国との連携が課題として指摘された。

 委員長の平沢勝栄政調会長代理は会合で「被害者救済を第一に、表現の自由なども考えながら取り組む」と強調した。

元交際相手の画像投稿 名誉毀損容疑 46歳男を逮捕=中部
2014.02.26 中部朝刊 

 元交際相手の裸の写真をインターネットに公開したとして、愛知県警南署は25日、埼玉県上尾市、無職A容疑者(46)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。以前の配偶者や交際相手のわいせつ画像などをインターネットに流出させる「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」で、警察が逮捕した事例は全国でも珍しい。

 発表によると、A容疑者は昨年8月13日、元交際相手の名古屋市南区、派遣社員女性(37)の上半身が裸の写真をインターネット上に公開し、不特定多数が見えるようにして女性の名誉を傷つけた疑い。A容疑者は容疑を認めているという。

 A容疑者は女性とインターネットを介して知り合い、2012年3月から交際していたが、7月に女性から別れを切り出された。その後も執拗(しつよう)に電話やメールを繰り返し、女性が同署に「ストーカーされている」と相談したため、同署が口頭で注意。昨年8月頃には、女性の氏名や顔が写った上半身の写真がネットのサイト上に公開されているのに女性が気づき、女性から告訴を受けた同署が、誰が公開したかを捜査していた。

名誉毀損:元交際相手の裸画像投稿 容疑で埼玉の男逮捕--愛知県警
2014.02.26 東京朝刊

 元交際相手の女性の半裸画像をインターネット上に投稿したとして、愛知県警南署は25日、埼玉県上尾市平塚、無職、蛭田貴雄容疑者(46)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。女性から別れ話を切り出された後に、執拗(しつよう)にメールや電話を繰り返していたといい、南署は、画像の投稿も腹いせの「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」だったとみている。

 元交際相手や元配偶者の私的な画像を、恨みなどからネット上に投稿するリベンジポルノは若者を中心に社会問題化しており、自民党が特命委員会を設置するなど対策の検討に乗り出している。

 逮捕容疑は昨年8月13日、以前に交際していた名古屋市南区の女性(37)が半裸で写っている画像1枚を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿。不特定多数の人が閲覧できるようにして女性の名誉を傷つけた疑い。

 南署によると、2人は2012年3月にインターネットを通じて知り合った。蛭田容疑者は女性からの別れ話に腹を立てて女性へのメールや電話を繰り返したため、同年9月に同署が電話で警告していた。

 13年8月になって、女性がインターネットで自分の画像を発見し、被害を届け出た。

 ゆがんだ「愛情」 止まらぬストーカー犯罪 元交際相手の裸 投稿容疑 「復讐ポルノ」男逮捕 埼玉の46歳
2014.02.26 朝刊 

 元交際相手の女性の裸の写真をインターネットに無断で投稿し、名誉を傷つけたとして、愛知県警は二十五日、名誉毀損(きそん)の疑いで、埼玉県上尾市平塚の無職A容疑者(46)を逮捕した。ふられた腹いせに、元交際相手のわいせつな写真をネット上に公開する「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」と呼ばれる嫌がらせ行為で、昨年秋ごろから急増し、社会問題化している。

 逮捕容疑では、二〇一三年八月十三日、元交際相手で名古屋市内の女性(37)の上半身裸で顔が写った写真一枚をインターネットのサイトに公開し、女性の名誉を傷つけたとされる。写真には女性の実名も書き込まれていた。

 A容疑者は容疑を認め「逃げていったので、怒りが湧いてきた」と供述している。

 県警によると、A容疑者は一二年三月、ネット掲示板を介して女性と知り合い、同年七月まで交際していた。画像は交際中に蛭田容疑者が撮影。別れた後、A容疑者が女性と連絡を取ろうと電話やメールを百数十回送り続けたため、女性から相談を受けた県警が、A容疑者にストーカー行為をやめるよう口頭で注意していた。女性の知り合いが画像に気付き、女性に連絡して犯行が発覚した。

    ◇

 昨秋から相談急増

 法律なく規制に限界

 インターネット上の人権侵害に対応している全国webカウンセリング協議会(東京)によると、リベンジポルノの被害相談は昨年十月から急増。行為そのものを取り締まる法律がなく、規制には限界がある。

 「ショックで学校を辞めようかと思っています」。昨年末、女子高生から協議会にこんな相談が寄せられた。交際していた先輩に自分の画像を送ったが、別れた後、学校の生徒たちが見る交流サイトに流された。

 協議会によると、昨年の相談九十七件の大半は中高生。「二人だけの秘密にしたかった」「断り切れなかった」。自ら画像を渡したこともあり「自分にも非がある」と思い込み、相談に踏み切れない女性も多い。

 協議会はサイト管理者への削除依頼を代行しているが、海外サイトなどに流れると広範囲に拡散するため完全に削除できない。スマートフォンで撮影した画像は、機能によっては送った場所がデータとして残る。ネット上に流出すると、自宅などを特定され、見知らぬ人から脅迫される恐れもある。

 未成年の画像は違法の疑いがあるため削除しやすいが、成人で、特に笑顔で写っていると「同意の上での撮影」とみなされ、被害者本人でも削除依頼に応じてもらえない例も多い。

 米国では数年前から問題化し、カリフォルニア州では昨年十月、投稿時に同意がなければ禁錮六カ月か千ドル以下の罰金を科す州法が成立している。

 女性写真 実名付き 復讐ポルノ容疑者 「逃げられ怒り」
2014.02.26 朝刊 

 元交際相手の女性の裸の写真をインターネットに無断で投稿したとして、埼玉県の男が名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕された事件で、投稿された写真に女性の実名が書き込まれていたことが愛知県警への取材で分かった。

 ふられた腹いせに元交際相手のわいせつな写真をネット上に公開する「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」という行為で、昨年秋ごろから急増。社会問題化している。

 逮捕されたのは、埼玉県上尾市平塚の無職A容疑者(46)。逮捕容疑では、昨年八月十三日、インターネットの掲示板に、元交際相手で名古屋市内の女性(37)の裸の写真一枚を公開し、女性の名誉を傷つけたとされる。A容疑者は容疑を認め、「女性に逃げられ、怒りがふつふつと湧いた」と供述している。

 愛知県警によると、A容疑者は一二年三月、飲み会の参加者を募集するネットの掲示板を介し、女性と知り合い、同年七月まで交際していた。別れた後、A容疑者が女性と連絡を取ろうと電話やメールを送り続けたため、女性が県警に相談。県警はA容疑者にストーカー行為をやめるように口頭で注意していた。

 ネット上の人権侵害の相談などを受けているNPO法人によると、リベンジポルノ(復讐ポルノ)は未成年者が被害に遭ったり、自分が画像を渡した場合は「自分にも非がある」と思いがちで、相談に踏み切れない女性も多い。

 米国ではカリフォルニア州で昨年十月、投稿時に同意がなければ禁錮六月か千ドル以下の罰金を科す州法が成立。日本でも昨秋の衆院法務委員会でこの問題が取り上げられたが、法制化の見通しは立っていない。

「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」で46歳男を逮捕
2014.02.26 日刊スポーツ

 元交際相手の女性の半裸画像をインターネット上に投稿したとして、愛知県警南署は25日、名誉毀損(きそん)の疑いで、埼玉県上尾市平塚、無職A容疑者(46)を逮捕した。女性から別れ話を切り出された後に、執拗(しつよう)にメールや電話を繰り返していたといい、南署は、画像の投稿も腹いせの「リベンジ(復しゅう)ポルノ」だったとみている。逮捕容疑は昨年8月13日、以前に交際していた名古屋市南区の女性(37)が半裸で写っている画像1枚を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿。不特定多数の人が閲覧できるようにして女性の名誉を傷つけた疑い。

女性に迫る危機 「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」増加の背景
2014.02.26 フジテレビ 

元結婚相手や元交際相手の裸等のプライベート画像を、ネット上に公開する等の「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」。きのう男が元交際相手に対するリベンジポルノを行ったとして愛知県警に逮捕された。東京・渋谷、埼玉・上尾市などの映像。元結婚相手や元交際相手の裸等のプライベート画像を、ネット上に公開する等の「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」。全国webカウンセリング協議会には、相談が増えているという。谷垣法相が「慎重に考えていく必要があるのではと考えている」などとコメント。三原じゅん子女性局長は「何らかの処罰が当然必要になる」と述べた。元結婚相手や元交際相手の裸等のプライベート画像を、ネット上に公開する等の「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」。 インターネット上にあがってしまったものは、回収するのは、事実上不可能だという。

リベンジポルノ(復讐ポルノ) 被害相談は去年から急増・約100件に 相談対応の団体
2014.02.25 NHKニュース 

 元交際相手の女性の裸の写真をネットなどに掲載する行為は、リベンジポルノ(復讐ポルノ)と呼ばれています。

 ネット上の人権侵害問題に対応している東京の「全国webカウンセリング協議会」によりますと、被害の相談は去年から急増し、前の年の10倍ほどにあたるおよそ100件が寄せられたということです。

 協議会は「女性は交際中、『嫌われたくない』という心理が働き、裸の写真を撮らせたり、メールで送ったりしてしまうことがある。いったんネットに流れると消すことは難しくなるので、他人に見られたくない写真は撮ってはいけない」と呼びかけています。

 元交際相手の裸写真投稿 名誉毀損容疑 46歳男を逮捕
2014.02.25 夕刊 

 元交際相手の女性の裸の写真などをインターネットのサイトに無断で投稿し、名誉を傷つけたとして、愛知県警は二十五日、名誉毀損(きそん)の疑いで、埼玉県生まれの住居不定、職業不詳A容疑者(46)を逮捕した。捜査関係者が明らかにした。

 ふられた腹いせに、元交際相手のわいせつな写真をネット上に公開する「リベンジポルノ」と呼ばれる嫌がらせ行為で、昨年秋ごろから急増。未成年者が被害に遭ったり、誰にも相談できずに悩むケースが多く、社会問題化している。

 逮捕容疑では、A容疑者は二〇一三年八月ごろ、愛知県内に住む元交際相手の三十代女性の上半身裸で顔が写った写真数枚をインターネットのサイトに公開し、女性の名誉を傷つけたとされる。

 捜査関係者によると、A容疑者と女性はネットを通じて一二年春に知り合い、同年夏ごろまで交際していた。画像は交際中にA容疑者が撮影。別れた後、A容疑者が女性と連絡を取ろうと電話やメールを百数十回、送り続けたため、女性から相談を受けた県警が、A容疑者にストーカー行為をやめるように口頭で警告。翌年八月、インターネット上に女性の画像が公開された。

 女性の知り合いが画像に気付き、女性に連絡して犯行が発覚。捜査関係者によると、A容疑者は、別の女性のわいせつ画像もネットに投稿していた疑いがあるとみて調べている。

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 リベンジポルノ(復讐ポルノ) ネット被害深刻

 インターネット上の人権侵害に対応している全国webカウンセリング協議会(東京)によると、リベンジポルノの被害相談は昨年十月から急増。ただ、行為そのものを取り締まる法律がないため、規制には限界がある。

 「私の胸の画像が出回っていると聞き、ショックで学校を辞めようかと思っています」。昨年末、ある女子高生から協議会にこんな相談が寄せられた。交際していた先輩に自分の画像を送ったが、別れた後に、学校の生徒たちが見る交流サイトに流されたという。

 協議会によると、昨年の相談九十七件の大半は中高生。「二人だけの秘密にしたかった」「断り切れなかった」。自ら画像を渡したこともあって「自分にも非がある」と思い込み、相談に踏み切れない女性も多いという。

 協議会はサイト管理者への削除依頼を代行しているが、海外サイトなどに流れると広範囲に拡散するため、完全に削除することはできない。衛星利用測位システム(GPS)機能付きのスマートフォンで撮影した画像を送信すると、送った場所がデータとして画像に残る。このためネット上に流出すると、画像をもとに自宅などを特定され、見知らぬ人から脅迫される恐れもある。

 未成年の画像は、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いがあるため削除しやすいが、成人で、特に笑顔で写っていると「同意の上での撮影」とみなされ、被害者本人でも削除依頼に応じてもらえない例も多い。

 米国では数年前から問題化し、カリフォルニア州では昨年十月、投稿時に同意がなければ禁錮六カ月か千ドル以下の罰金を科す州法が成立。日本でも法制化を求める声は強く、昨秋の衆院法務委員会などでこの問題が取り上げられたが、谷垣禎一法務相は「現行法で対応できる」と答弁した。

◎リベンジポルノ(復讐ポルノ)、対策検討へ=厳罰化、被害拡散を防止-自民
2014.02.23 時事通信 

 元交際相手の裸の写真や動画をインターネット上に流出させる「リベンジポルノ(復讐ポルノ)」について、自民党は近く特命委員会(平沢勝栄委員長)の初会合を開き、対応策の検討に着手する。加害者を厳罰に科すことの是非や、早期の画像削除など被害の拡散防止を中心に議論。法整備も視野に入れるが、どこまで実効性を高められるかが課題だ。

 警察庁によると、ネット上の性的な画像や動画掲載に関する通報件数は年々増加し、2012年は約2万7000件に上った。同年には、交際中に撮影した女性の裸の画像をネット上の電子掲示板に投稿したとして、名誉毀損(きそん)容疑で男を検挙した例がある。

 事案によってはわいせつ物陳列罪や侮辱罪、脅迫罪などでの処罰も可能で、政府は「大体、現行法で裁ける」(谷垣禎一法相)との立場。ただ、自民党内では女性議員を中心に「被害者が泣き寝入りする例も多く、現状のままで被害を減らせるのか議論すべきだ」との声が強まり、特命委を設置した。 

 画像などが海外のサーバーを経由して流出した場合、他国への捜査協力要請が必要で、公開した人物を特定するのに時間がかかる。その間も画像が拡散する恐れがあるため、特命委では画像公開者への厳罰化で抑止力向上につなげられるかを議論する。画像を早期に削除する方法についても、接続事業者(プロバイダー)や被害相談を受けた弁護士からのヒアリングを重ね、具体的な救済策を検討する。

<ナビ net digital>リベンジポルノ(復讐ポルノ)*嫌がらせ流出 削除不能
2014.02.01 北海道新聞夕刊全道 

 「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」をご存じだろうか。元恋人や結婚相手が、交際期間中に撮影したパートナーの性的な写真・動画を、嫌がらせ目的でネット上に公開することだ。写真・動画を簡単に撮影、アップロードできる携帯端末が普及したことを背景に、新しい社会問題となっている。米国の一部では規制法ができており、日本でも対策を求める声が上がり始めた。(田中徹)

 2013年秋、ある事件の被害女性の性的な写真が、ネットに掲載された。容疑者の男が事件を起こす直前、アップロードしたとみられている。

 事件発生から数時間後には、匿名掲示板にこれら写真のURLが書き込まれている。写真はすぐに削除されたものの、掲載されている間、多くの閲覧者が訪れたという。

 リベンジポルノ(復讐ポルノ)を報道すること自体、二次被害を招きかねないため、新聞やテレビは事実そのものを伝えにくい。しかし、ネットにはそうした抑制は効かない。情報は瞬時に拡散する。こうした被害は以前からあったが、事件を機に、日本でも問題がクローズアップされるようになった。

 デジタルデータはフィルムに記録される写真・動画とは異なり、劣化せず容易にコピー可能で、簡単にネットに公開できる。いったん流出すれば、削除や回収は不可能だ。

*「ボタン一つ」に恐怖

 被害者になりやすい女性は、どう考えているか。

 筆者は13年12月から14年1月にかけて3回、藤女子大(札幌市北区)で、情報処理を学ぶ学生約100人に「情報・技術・コミュニケーション」をテーマに講義した。「道新出前講座」の一環。情報通信技術の発達と、それに伴う社会的あつれきを紹介し、リベンジポルノ(復讐ポルノ)にも触れた。

 学生は主に18~19歳。国内でインターネットの一般利用が広まった1995年前後に生まれ、物心ついたころには、カメラ付き携帯電話やネットが生活に溶け込んでいた世代だ。講義後のアンケート=図参照=では、5割以上が高校入学までに自分専用の携帯電話、スマートフォンを持ち、ライン、ツイッターを中心に9割以上が交流サイト(SNS)を利用している。

 ほとんどの学生は、ネットでのトラブルに遭った経験はないという。ただ、ネットに親しみ、使いこなしている彼女たちでも「写真や情報はいくらでもコピーでき、誰が見ているか分からないということを忘れがちになってしまう」「巻き込まれる方も少しは悪いが、便利な機能があるから問題が起きる」「特に深く物事を考えずにボタン一つで物事が進んでいくのは恐ろしい」といった感想や意見があった。端末が進化し、使いやすくなればなるほど、こうした写真を撮ることへの心理的抵抗など、ハードルが下がってしまうのかもしれない。

*新規立法への動きも

 米国では、カリフォルニア州で13年10月、写真・動画を嫌がらせ目的で流出させると、最高で禁錮6カ月、同千ドルの罰金刑となる法律が施行された。日本では、13年11月の衆院法務委で、三谷英弘氏(みんなの党)が立法対策を求めている。谷垣禎一法相は、名誉毀損(きそん)罪や児童ポルノ禁止法、刑法のわいせつ物に関する罪といった現行法で処罰可能として、新規立法には否定的な考えを示している。ただ、自民党女性局が新規立法や法改正、啓発活動を検討していると伝えられる。

 検索エンジンなどネットサービス事業者は、プライバシーを侵害したり法的に問題のある写真・動画について、申告を受けると検索結果に表示しない、記録を削除するといった対応をとっている。しかし、手続きには時間がかかる上、完全に削除されるかどうかは保証されない。

 法律が整備され、事業者の対応が整っても、あるいは加害者が逮捕、処罰されても、いったん写真・動画が流出すれば名誉回復は不可能。データはどこかのハードディスクに保存され、永遠にウェブをさまよう。

 また、スマホやパソコンに保存した写真・動画を意図せず流出させてしまい、パートナーを傷つけてしまうこともある。結局、最大の自己防衛策は、第三者に見られて不快になる写真・動画は撮らせない、撮らないことに尽きる。

 「いい人」が常にいい人であるとは限らないし、人間関係は永遠に続くわけでもない。前述のアンケートで、18歳の学生は「彼氏にそういう写真を撮らせるのは絶対にしてはいけない、怖いと思った」と感想を記していた。

*藤女子大での出前講座アンケート結果

(18~22歳の98人対象)

自分の携帯電話、スマートフォンを持った年齢

 15歳    13歳    12歳      16歳     18歳

(23%)  (17%)  (15%)    (14%)    (7%)

利用しているSNSなど(複数回答)

 ライン    ツイッター  フェイスブック  スカイプ    使っていない

(79%)  (71%)  (36%)    (34%)    (5%)

1日の利用時間

 1時間未満  2時間未満  4時間以上    3時間未満   4時間未満

(25%)  (24%)  (22%)    (15%)   (10%)

あなたの家族も狙われる… リベンジポルノ(復讐ポルノ)恐怖の実態
2014.01.12 フジテレビ 

リベンジポルノ(復讐ポルノ)とは、例えば元交際相手がその彼女に復讐するために、交際時に彼女の裸の写真などを撮影してその画像や動画を友人などにメールなどで直接送信、投稿サイトにアップするなどの嫌がらせ行為のことを言う。リベンジポルノが多発して今深刻な状況に陥っているのがアメリカで被害者と加害者に取材した。アメリカの15歳の女性は、ネットで知り合った男性の誘いに応え、トップレス姿を見せてしまいネット上で拡散されてしまった。彼女はビデオを投稿した6ヵ月後に自殺した。リベンジポルノ(復讐ポルノ)先進国アメリカのフロリダ州へ取材に訪れた。被害者の女性は常に銃を持っていて、その理由は交際相手からされたリベンジポルノ(復讐ポルノ)だった。当時女性は付き合っていた男性に別れを切り出すと、ある日突然フェイスブックのプロフィール写真が裸に変わっていたと知人から連絡があったと伝えられた。女性はどこにいても赤の他人が自分を見つけ出し、人生を脅かしているかもしれないという恐怖を味わい続けたと話す。カルフォルニア州でリベンジポルノ(復讐ポルノ)拡散のきっかけを作った人物との接触に成功した。この男性はキング・オブ・リベンジポルノと呼ばれ、リベンジポルノ(復讐ポルノ)サイトを自ら運営している。現在サイトは閉鎖したというが男性は悪びれる様子もなく語り続ける。儲かるからこそ増え続ける全米のリベンジポルノ(復讐ポルノ)サイトは800以上と言われる。さらにアメリカには「ホームレッカー」というサイトがあり、夫に浮気された妻たちが夫の浮気相手をネットにさらずものである。このサイトを立ち上げた女性は、自らも一児の母だという。この女性は世の女性達が、既婚女性を尊重していればこんなことはしないと話す。スタジオ解説。リベンジポルノ(復讐ポルノ)は日本でも相談件数が増加し、高校生など若者からの相談も増えている。三原じゅん子議員は、わいせつ画像を撮らせてしまったことに非難が集中することもあるが、隠し撮りや強要されることもありインターネットの危険性を教育していかなければならないと話した。