秋田県暴力団排除条例
(目的)
第一条 この条例は、暴力団の排除について、基本理念を定め、並びに県及び県民等の責務を明らかにするとともに、暴力団の排除に関する施策について必要な事項を定めることにより、暴力団の排除を推進し、もって県民生活の安全と平穏を確保し、及び県民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。以下「法」という。)第二条第二号に規定する暴力団をいう。
二 暴力団員 法第二条第六号に規定する暴力団員をいう。
三 県民等 県民及び事業者をいう。
四 暴力団事務所 法第十五条第一項に規定する事務所をいう。
(基本理念)
第三条 暴力団の排除は、暴力団が県民の生活及び事業者の事業活動に不当な影響を与えるものであることを認識した上で、暴力団を恐れないこと、暴力団を利用しないこと及び暴力団に対して資金を提供しないことを基本として、県、県民等、関係機関及び関係団体の相互の連携協力の下に推進されなければならない。
(県の責務)
第四条 県は、前条に定める基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、暴力団の排除に関する施策を策定し、及び実施するものとする。
(県民等の責務)
第五条 県民は、基本理念にのっとり、暴力団の排除の活動に自主的に取り組むように努めるとともに、県が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するように努めるものとする。
2 事業者は、基本理念にのっとり、その行う事業に関し暴力団が利益を得ることとならないように努めるとともに、県が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するように努めるものとする。
3 県民等は、暴力団の排除に資すると認める情報を得たときは、県に対し、当該情報を提供するように努めるものとする。
(県の事務及び事業における措置)
第六条 県は、公共工事その他の県の事務又は事業により暴力団が利益を得ることとならないように、公共工事の入札に暴力団員及び暴力団と密接な関係を有する者を参加させないことその他の暴力団の排除のために必要な措置を講ずるものとする。
(警察本部長による措置)
第七条 警察本部長は、県民等が暴力団の排除の活動を行うときは、情報の提供、助言、指導、関係者の保護その他の必要な措置を講ずるものとする。
(啓発活動)
第八条 県は、県民等が暴力団の排除の必要性について理解を深め、及び暴力団の排除に関する社会的気運を醸成するため、県民等に対し、暴力団の実態についての周知その他の啓発活動を行うものとする。
(暴力団事務所の運営の禁止)
第九条 暴力団事務所は、次に掲げる施設の敷地の周囲二百メートルの区域内においては、これを運営してはならない。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(大学を除く。)
二 図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する図書館
三 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する児童福祉施設
四 都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園
五 前各号に掲げるもののほか、特にその周辺における青少年に対する暴力団の影響を排除する必要のある施設として公安委員会規則で定めるもの
2 前項の規定は、同項の規定の施行又は適用の際現に運営されている暴力団事務所については、適用しない。
3 前項の規定の適用後において、ある暴力団のものとして運営されていた暴力団事務所が他の暴力団のものとして運営された場合は、当該暴力団事務所について第一項の規定を適用する。
(暴力団の威力の利用の禁止)
第十条 事業者は、その行う事業に関し、暴力団の威力を利用してはならない。
(利益の供与の禁止)
第十一条 事業者は、その行う事業に関し、暴力団員に対し、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
(不動産の譲渡等の禁止)
第十二条 何人も、譲渡又は貸付け(以下「譲渡等」という。)をしようとする県内に所在する土地又は建物(以下「不動産」という。)が暴力団事務所の用に供されることを知って、当該不動産の譲渡等に係る契約を締結してはならない。
2 何人も、不動産が暴力団事務所の用に供されることを知って、当該不動産の譲渡等の媒介をしてはならない。
(不動産の譲渡等の契約に係る措置等)
第十三条 不動産の譲渡等をしようとする者又はその代理人は、書面により当該不動産の譲渡等に係る契約を締結しようとする場合において当該不動産が暴力団事務所の用に供される疑いがあると認めるときは、当該契約の相手方に対し当該不動産を暴力団事務所の用に供しない旨を誓約する書面の提出を求めることその他必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2 不動産の貸付けをしようとする者又はその代理人は、書面により当該不動産の貸付けに係る契約を締結しようとする場合は、当該契約において次に掲げる事項を定めるように努めるものとする。
一 当該不動産を暴力団事務所の用に供してはならない旨
二 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明したときは催告をすることなく当該契約を解除することができる旨
3 前項各号に掲げる事項を定めた契約を締結して不動産の貸付けをした者は、当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明したときは、速やかに、当該契約を解除するように努めるものとする。
4 前三項の規定は、国及び地方公共団体が行う不動産の譲渡等については、適用しない。
(報告又は資料の提出)
第十四条 公安委員会は、第十条から第十二条までの規定の施行に必要な限度において、関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(勧告)
第十五条 公安委員会は、事業者又は不動産の譲渡等を行う者(その代理人を含む。)若しくは媒介する者が第十条から第十二条までの規定に違反する行為をした場合において当該行為をした者が更に反復してこれらの規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、期間を定めて、当該行為をしてはならない旨を勧告することができる。
(公表)
第十六条 公安委員会は、第十四条の規定による報告若しくは資料の提出を求められた者が正当な理由なくこれに応じないとき又は前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、その旨を公表することができる。
2 公安委員会は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、第十四条の規定による報告若しくは資料の提出を求められた者又は前条の規定による勧告を受けた者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(公安委員会規則への委任)
第十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。
(罰則)
第十八条 第九条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
附則
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第九条から第十八条までの規定は、平成二十三年七月一日から施行する。