鹿児島県暴力団排除条例
平成26年3月28日
条例第22号
改正 平成29年3月24日条例第14号 令和5年3月22日条例第29号
鹿児島県暴力団排除条例をここに公布する。
鹿児島県暴力団排除条例
鹿児島県暴力団排除活動の推進に関する条例(平成21年鹿児島県条例第59号)の全部を改
正する。
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 暴力排除活動の推進に関する基本的施策(第6条―第10条)
第3章 青少年の健全な育成を図るための措置(第11条・第12条)
第4章 暴力団員等に対する利益の供与の禁止等(第13条―第15条)
第5章 暴力団員等が利益の供与を受けること等の禁止(第16条)
第6章 不動産の譲渡等をしようとする者等の責務(第17条・第18条)
第7章 特定事業者の責務(第19条)
第8章 義務違反者に対する措置等(第20条―第22条)
第9章 雑則(第23条)
第10章 罰則(第24条・第25条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,暴力団員等による不当な行為が県民生活及び社会経済活動に多大な影
響を及ぼしていることに鑑み,暴力排除活動の推進に関し,基本理念を定め,県,県民等
の責務を明らかにするとともに,暴力排除活動の推進に関する基本的施策,青少年の健全
な育成を図るための措置,暴力団員等に対する利益の供与の禁止,県民等に対する支援等
について必要な事項を定めることにより,県民の安全かつ平穏な生活を確保し,及び社会
経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによ
る。
2/9
(1) 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。
以下「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。
(2) 暴力団員 法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
(3) 暴力団員等 暴力団員,暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者その他公
安委員会規則で定める者をいう。
(4) 暴力団関係者 暴力団員等又は暴力団若しくは暴力団員等と密接な関係を有する者
として公安委員会規則で定める者をいう。
(5) 暴力排除活動 暴力団員等による不当な行為を防止し,及びこれにより県民生活又
は社会経済活動に生じた不当な影響を排除するための活動をいう。
(6) 県民等 県民及び事業者をいう。
(7) 関係機関等 法第32条の3第1項の規定により鹿児島県暴力追放運動推進センター
として指定を受けた者その他の暴力排除活動を行う機関又は団体をいう。
(8) 事業者 事業(その準備行為を含む。以下同じ。)を行う法人その他の団体(国及
び地方公共団体を除く。)又は事業を行う個人をいう。
(9) 青少年 18歳未満の者をいう。
(10) 暴力団事務所 暴力団の活動の拠点である施設又は施設の区画された部分をいう。
(基本理念)
第3条 暴力排除活動は,暴力団が県民生活及び社会経済活動に多大な影響を及ぼす存在で
あるとの認識の下に,暴力団を恐れないこと,暴力団に対して資金を提供しないこと,暴
力団を利用しないこと及び暴力団と交際しないことを基本として,県,市町村,県民等及
び関係機関等が相互に連携し,及び協力して推進されなければならない。
(県の責務)
第4条 県は,前条に定める基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり,
暴力排除活動の推進に関する総合的な施策を策定し,及びこれを実施する責務を有する。
2 県は,暴力排除活動の推進に関する施策を実施するに当たっては,市町村及び関係機関
等と緊密に連携し,及び協力するものとする。
(県民等の責務)
第5条 県民は,基本理念にのっとり,暴力排除活動に自主的に,かつ,相互の連携協力を
図りながら取り組むとともに,県が実施する暴力排除活動の推進に関する施策に協力する
よう努めるものとする。
2 事業者は,基本理念にのっとり,その行う事業により暴力団を利することとならないよ
3/9
うにするとともに,県が実施する暴力排除活動の推進に関する施策に協力するものとする。
3 県民等は,暴力排除活動に資すると認められる情報を知ったときは,県に対し,当該情
報を提供するよう努めるものとする。
第2章 暴力排除活動の推進に関する基本的施策
(県の事務及び事業における措置)
第6条 県は,公共工事その他の県の事務又は事業により暴力団を利することとならないよ
う,暴力団及び暴力団関係者を県が実施する入札に参加させない等の必要な措置を講ずる
ものとする。
(警察による保護措置)
第7条 警察本部長は,暴力排除活動に取り組んだこと等により暴力団員等,暴力団員等か
ら依頼された者等から危害を加えられるおそれがあると認める者に対し,警察官による警
戒その他の必要な措置を講ずるものとする。
(県民等に対する支援)
第8条 県は,県民等による暴力排除活動に資するよう,県民等に対し,情報の提供その他
の必要な支援を行うものとする。
(啓発活動)
第9条 県は,市町村及び関係機関等と連携して,県民等が暴力排除活動の重要性について
理解を深め,及び暴力排除活動の気運が醸成されるよう,広報その他の必要な啓発活動を
行うものとする。
(市町村への要請及び支援)
第10条 県は,市町村に対し,地域の実情に応じた暴力排除活動の推進に関する施策を策定
し,及びこれを実施すること並びに県が実施する暴力排除活動の推進に関する施策に協力
することを求めるものとする。
2 県は,市町村が実施する暴力排除活動の推進に関する施策について,情報の提供,技術
的助言その他の必要な支援を行うものとする。
第3章 青少年の健全な育成を図るための措置
(青少年に対する教育等のための措置)
第11条 県は,学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する中学校,義務教
育学校(後期課程に限る。),高等学校,中等教育学校,特別支援学校(中学部及び高等
部に限る。)若しくは高等専門学校又は同法第124条に規定する専修学校(高等課程に限
る。)をいう。)において,その生徒又は学生が暴力排除活動の重要性を認識し,暴力団
4/9
に加入せず,及び暴力団員等による犯罪の被害を受けないようにするための教育が必要に
応じて行われるよう適切な措置を講ずるものとする。
2 青少年の育成に携わる者は,青少年が暴力排除活動の重要性を認識し,暴力団に加入せ
ず,及び暴力団員等による犯罪の被害を受けないよう,青少年に対し,指導,助言その他
の適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 県は,前項の青少年の育成に携わる者に対し,職員の派遣,情報の提供その他の必要な
支援を行うものとする。
(平29条例14・一部改正)
(暴力団事務所の開設及び運営の禁止)
第12条 何人も,次に掲げる施設の敷地の周囲200メートルの区域内において,暴力団事務
所を開設し,又は運営してはならない。
(1) 学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く。)及び同法第124条に規定する専修
学校(高等課程を置くものに限る。)
(2) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設,同法第
12条第1項に規定する児童相談所及び同法第59条の2第1項に規定する施設(同項の規
定による届出がされたものに限る。)
(3) 社会教育法(昭和24年法律第207号)第21条に規定する公民館
(4) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館
(5) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館及び同法第31条第
1項に規定する博物館に相当する施設
(6) 都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条第1項に規定する都市公園
(7) 前各号に掲げるもののほか,特にその周辺における青少年の健全な育成を図るため
の良好な環境を保全する必要がある施設として公安委員会規則で定めるもの
2 前項の規定は,暴力団事務所であって,その開設後に同項各号に掲げるいずれかの施設
が設置されたこと(児童福祉法第59条の2第1項に規定する施設にあっては,同項の規定
による届出がされたこと)により,前項に規定する区域内において運営されることとなっ
たものについては,適用しない。ただし,当該暴力団事務所が他の暴力団のものとして開
設され,又は運営された場合は,この限りでない。
3 何人も,前2項の規定を,暴力団事務所の開設,運営,維持等を正当化する根拠として
はならない。
(令5条例29・一部改正)
5/9
第4章 暴力団員等に対する利益の供与の禁止等
(利益の供与等の禁止)
第13条 事業者は,その行う事業に関し,暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し,
次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 暴力団の威力を利用する目的で,金品その他の財産上の利益の供与(以下「利益の
供与」という。)をすること。
(2) 暴力団の威力を利用したことに関し,利益の供与をすること。
2 事業者は,前項に定めるもののほか,その行う事業に関し,暴力団員等又は暴力団員等
が指定した者に対し,情を知って,暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資するこ
ととなる利益の供与をしてはならない。ただし,法令上の義務又は情を知らないでした契
約に係る債務の履行として利益の供与をする場合その他正当な理由がある場合は,この限
りでない。
3 事業者は,その行う事業に関し,暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し,情を
知って,不当に優先的な取扱いをしてはならない。
(暴力団の威力を利用することの禁止)
第14条 事業者は,前条第1項に定めるもののほか,その行う事業に関し,暴力団の威力を
利用してはならない。
(契約時における措置等)
第15条 事業者は,その行う事業に係る契約の内容が暴力団の活動を助長し,又は暴力団の
運営に資することとなるおそれがあるときは,当該契約の相手方,当該契約の媒介をする
者その他の当該契約に係る者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めなければな
らない。
2 事業者は,その行う事業に係る契約を書面により締結する場合においては,当該契約の
内容が暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資することとなることが判明したとき
は,催告をすることなく当該契約を解除することができる旨を定めるよう努めなければな
らない。
3 事業者は,前項に規定する事項を定めた契約を締結した場合において,当該契約が暴力
団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資することとなることが判明したときは,速やか
に,当該契約を解除するよう努めなければならない。
第5章 暴力団員等が利益の供与を受けること等の禁止
第16条 暴力団員等は,情を知って,事業者から当該事業者が第13条第1項若しくは第2項
6/9
の規定に違反することとなる利益の供与を受け,又は事業者に当該事業者がこれらの規定
に違反することとなる当該暴力団員等が指定した者に対する利益の供与をさせてはなら
ない。
2 暴力団員等は,情を知って,事業者に対し,第13条第3項の規定に違反することとなる
取扱いをさせてはならない。
第6章 不動産の譲渡等をしようとする者等の責務
(不動産の譲渡等をしようとする者等の責務)
第17条 県内に所在する不動産(以下「不動産」という。)の譲渡又は貸付け(地上権その
他の不動産の使用をその内容とする権利の設定又は移転を含む。以下「譲渡等」という。)
をしようとする者は,当該譲渡等に係る契約の締結前に,当該契約の相手方に対し,当該
不動産を暴力団事務所の用に供するものでないことを確認するよう努めなければならな
い。
2 不動産の譲渡等をしようとする者は,当該不動産が暴力団事務所の用に供されることと
なることを知りながら,当該譲渡等に係る契約を締結してはならない。
3 不動産の譲渡等をしようとする者は,当該譲渡等に係る契約において,次に掲げる事項
を定めるよう努めなければならない。
(1) 当該不動産を暴力団事務所の用に供し,又は第三者をして暴力団事務所の用に供さ
せてはならない旨
(2) 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明したときは,当該不動産
の譲渡等をした者は,催告をすることなく当該契約を解除し,又は当該不動産を買い戻
すことができる旨
4 前項第2号に規定する事項を定めた契約により不動産の譲渡等をした者は,当該不動産
が暴力団事務所の用に供されていることが判明したときは,速やかに,当該契約を解除し,
又は当該不動産を買い戻すよう努めなければならない。
(不動産の譲渡等の代理等をする者の責務)
第18条 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は,当該譲渡等をしようとする者に対し,
前条の規定の遵守に関し助言その他の必要な措置を講じなければならない。
2 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は,当該不動産が暴力団事務所の用に供される
こととなることを知りながら,当該譲渡等に係る代理又は媒介をしてはならない。
第7章 特定事業者の責務
第19条 事業者のうち,ホテル,旅館,ゴルフ場その他不特定又は多数の者が利用する施設
7/9
のうち公安委員会規則で定めるもの(以下この条において「施設」という。)の運営又は
管理を行う者(以下この条において「特定事業者」という。)は,情を知って,暴力団の
活動を助長し,又は暴力団の運営に資することとなる当該施設の利用に係る契約を締結し
てはならない。
2 特定事業者は,施設の利用に係る約款,規約その他の定め(次項において「約款等」と
いう。)において,次に掲げる事項を定めるよう努めなければならない。
(1) 暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資することとなる当該施設の利用をし
てはならない旨
(2) 当該施設の利用が暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資することが判明し
たときは,特定事業者は,催告をすることなく当該施設の利用に係る契約を解除するこ
とができる旨
3 特定事業者は,施設の利用に係る約款等に前項第2号に掲げる事項を定めた場合におい
て,当該施設の利用が暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資することとなること
が判明したときは,速やかに,当該施設の利用に係る契約を解除するよう努めなければな
らない。
4 特定事業者は,施設を暴力団の活動に利用させない旨を記載した看板等を,利用者が見
やすい場所に掲示するよう努めるものとする。
第8章 義務違反者に対する措置等
(説明又は資料の提出の要求)
第20条 公安委員会は,第13条第1項若しくは第2項,第16条第1項,第17条第2項,第18
条第2項又は前条第1項の規定に違反する行為をした疑いがあると認められる者その他
関係者に対し,公安委員会規則で定めるところにより,その違反の事実を明らかにするた
めに必要な限度において,文書若しくは口頭による説明又は資料の提出を求めることがで
きる。
(勧告)
第21条 公安委員会は,第13条第1項若しくは第2項,第16条第1項,第17条第2項,第18
条第2項又は第19条第1項の規定に違反する行為があった場合において,当該行為が暴力
排除活動の推進に支障を及ぼし,又は及ぼすおそれがあると認めるときは,公安委員会規
則で定めるところにより,当該行為をした者に対し,当該行為の中止その他の必要な措置
を講ずべきことを勧告することができる。
(公表)
8/9
第22条 公安委員会は,第20条の規定により説明若しくは資料の提出を求められた者が正当
な理由がなく当該説明若しくは資料の提出を拒み,若しくは虚偽の説明若しくは資料の提
出をしたとき又は前条の規定により勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わ
なかったときは,公安委員会規則で定めるところにより,その旨を公表することができる。
2 公安委員会は,前項の規定による公表をしようとするときは,公安委員会規則で定める
ところにより,あらかじめ,当該公表に係る者に対し,意見を述べる機会を与えなければ
ならない。
第9章 雑則
第23条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,公安委員会規
則で定める。
第10章 罰則
(罰則)
第24条 第12条第1項の規定に違反して,暴力団事務所を開設し,又は運営した者は,1年
以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(両罰規定)
第25条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項に
おいて同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従
業者が,その法人又は人の業務に関し,前条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほ
か,その法人又は人に対しても,同条の罰金刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には,その代表者又は管理人がそ
の訴訟行為につきその団体を代表するほか,法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴
訟に関する法律の規定を準用する。
附 則
1 この条例は,平成26年5月1日から施行する。ただし,第20条から第22条までの規定は,
同年7月1日から施行する。
2 この条例の施行の際現に運営されている暴力団事務所については,改正後の鹿児島県暴
力団排除条例第12条第1項の規定は,適用しない。ただし,当該暴力団事務所が,この条
例の施行の日以後に他の暴力団のものとして開設され,又は運営された場合は,この限り
でない。
附 則(平成29年3月24日条例第14号)
この条例は,平成29年4月1日から施行する。
9/9
附 則(令和5年3月22日条例第29号)
この条例は,令和5年4月1日から施行する